近年、台風や集中豪雨による河川の氾濫や都市型水害が増え、家が突然水没するリスクは誰にでも起こり得る現実となっています。予想外の浸水被害に直面したとき、事前に準備していたかどうかで、命や財産の守り方は大きく変わります。本記事では、万一の事態に備えるための浸水対策グッズを厳選して紹介します。さらに、被害を最小限に抑える行動のポイントや準備の優先順位についても解説します。これを読めば、いざという時の備えが整い、安心して日常を過ごせるようになります。
この記事を読んでわかること:
家が水没した時の初動対応の重要性
浸水対策に役立つグッズの具体例と使い方
災害時の安全確保と避難行動のポイント
1. 家が水没したらまず取るべき行動
家が水没すると冷静な判断が難しくなります。まずは安全を確保し、必要に応じて避難行動を取ることが大切です。
1-1. 電源の遮断と安全確認
浸水時に最も危険なのは感電事故です。床下や壁内の配線が水に触れると、わずかな接触でも感電する可能性があります。そのため、可能な限り早くブレーカーを落とし、家全体の電源を遮断しましょう。都市ガスやプロパンガスを使用している場合は、ガス漏れによる爆発や火災の危険性も高まります。異臭や「シュー」という音が聞こえたら、速やかに元栓を閉めてください。停電時はロウソクではなく、防水仕様の懐中電灯やランタンを使用します。ロウソクは転倒による火災リスクがあり、特に水害時には不向きです。事前に防水ライトを非常持ち出し袋に入れておけば、暗闇の中でも安全に避難経路を確認できます。
1-2. 家族や近隣への連絡
水害時は通信網が混雑し、電話やインターネットが繋がりにくくなります。あらかじめ家族間で複数の連絡方法を決めておきましょう。携帯電話やLINEのほか、災害用伝言ダイヤル(171)や災害用伝言板サービスの使い方を共有しておくことが大切です。ホイッスルは遭難時に居場所を知らせるのに有効で、声を出し続けるより体力の消耗が少なく済みます。高齢者や小さな子どもがいる家庭は、近隣との協力体制も欠かせません。自治会や地域防災組織と連携し、助け合える体制を整えておくと、緊急時の避難がスムーズになります。
1-3. 高所への移動と避難
水位が急激に上昇する場合、外への避難が危険なケースもあります。濁流や下水混じりの水は衛生面でも危険が高く、50cm程度の深さでも成人が流される力を持っています。このような場合は無理に外に出ず、家の2階や屋根など安全な高所へ移動する判断も必要です。避難時は必ず両手を空けられるよう、防水バッグやリュックに必要物資を入れて持ち運びます。夜間や視界不良時にはヘッドライトを使用し、滑りにくい靴で移動することが事故防止につながります。
2. 浸水被害を減らすための事前準備
事前の備えがあれば、水害による被害を大きく減らせます。ここでは浸水前に行うべき効果的な対策を解説します。
2-1. 家の周囲の排水対策
家の周囲や雨どい、排水溝は定期的な清掃が不可欠です。落ち葉や泥が詰まると排水機能が低下し、大雨時に水が逆流する原因となります。雨どいの詰まりを解消し、側溝や排水口を点検しておきましょう。さらに、浸水が予想される場所には土嚢や水嚢(ウォーターバッグ)を備えます。吸水土嚢は軽量で保管が容易なため、高齢者や女性でも設置しやすいのが利点です。玄関前や車庫、窓際に設置するだけで一時的な防水壁を作れます。
2-2. 家財や電化製品の配置工夫
大型家電や家具は、可能であればキャスター付きの台座やブロックの上に設置し、床から数十センチ浮かせておきます。これにより、床上浸水の際にも直接水に触れにくくなります。重要書類や通帳、パスポートなどは防水バッグや密閉ケースに入れ、2階以上や高い棚に保管します。パソコンや外付けHDDなども高所に移し、データはクラウドにバックアップを取っておくと安心です。
2-3. 避難計画と連絡網の整備
自治体のハザードマップを活用し、自宅周辺の浸水リスクや避難所の場所を家族で共有します。避難経路は複数確保し、災害時の集合場所を事前に決めておきましょう。特に夜間や悪天候時に移動する可能性もあるため、懐中電灯や防水バッグを常備し、靴や雨具も揃えておきます。災害時は電話が通じにくくなるため、災害用伝言ダイヤルやSNSの安否確認機能も活用できるよう準備しておきましょう。
3. 必須の浸水対策グッズ10選
実際に家が水没した場合、備えておくと役立つ浸水対策グッズを10種類厳選しました。
3-1. 防水ライト・懐中電灯
停電時に光源があるかどうかは避難の安全性に直結します。防水仕様のLEDライトは、落水や雨にさらされても使えるため必須です。ヘッドライトを使えば両手が空き、重い荷物を持ったり手すりを掴んだりしやすくなります。光量調整や点滅機能が付いたタイプは、救助信号としても活用可能です。
3-2. 浸水防止用土嚢・水嚢
従来型の土嚢は重量があり運搬が大変ですが、水嚢(吸水土嚢)は軽量で保管スペースも小さく済みます。使用直前に水を吸わせるだけで膨らみ、数分で防水壁を作ることが可能です。玄関や窓、排水口周辺など水が入りやすい箇所に設置します。
3-3. 防水バッグと防水ケース
通帳や印鑑、スマートフォンなどの重要品は防水バッグに入れて保管します。スマホ用防水ケースは、避難中でも通話や地図アプリの利用を可能にし、緊急時の連絡を助けます。防水バッグは背負えるタイプを選ぶと、両手が空いて移動が楽になります。
4. 水没後に行うべき復旧作業
水が引いた後の復旧作業は、安全確認と衛生対策が最優先です。
4-1. 建物の安全確認
浸水後は床下や壁の構造が損傷している可能性があります。木造住宅は特に腐食やシロアリ被害のリスクが高まります。地盤沈下や傾きがある場合は、自己判断で立ち入らず専門業者に依頼しましょう。
4-2. 衛生対策と消毒
浸水水は生活排水や化学物質を含む場合が多く、健康被害を防ぐためには徹底した消毒が必要です。塩素系漂白剤やアルコール消毒液を使い、床や壁を洗浄します。作業中は長靴、ゴム手袋、マスクを着用してください。
4-3. 家財の乾燥と再利用判断
濡れた家財はカビの発生を防ぐため早急に乾燥させます。布団や衣類はクリーニング、家電は点検後に使用します。保険請求に必要なため、被害状況は必ず写真に残しておきましょう。
まとめ
台風や豪雨による家の水没は予測が難しいものですが、事前の備えと正しい行動で被害を最小限にできます。今回紹介した浸水対策グッズ10選と行動マニュアルを参考に、家族の安全と財産を守るための準備を今日から始めましょう。


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